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意地の特捜部、対決姿勢の小沢氏(産経新聞)

【政治部遊軍・高橋昌之のとっておき】小沢氏の政治資金問題(下)

 特捜部は昨年3月、西松建設の違法献金事件で、西松建設のダミー団体と知りながら、政治資金規正法で禁止されている企業献金を実質的に受けていたとして、陸山会会計責任で小沢氏の公設第1秘書の大久保隆規被告を逮捕、起訴しました。昨年12月には公判が始まりましたが、大久保被告は容疑を否定、全面的に争う姿勢を示しました。

 この問題をめぐっては、企業の「ダミー団体」と認識していたか、あるいは現行法でこれを有罪とできるのかなど、法律の専門家からも法的問題を指摘する声が上がっていました。当時は自民党政権で政権交代の可能性が高まっていたことから、「国策捜査」との批判も出ました。この事件は最高裁までもつれ込む可能性があり、判決が確定するまでには何年かかるか分かりません。

 「そこで特捜部が小沢氏の悪質さを暴くために、次に目をつけたのが平成16年の土地購入における不記載だった」と、検察の内部事情にも詳しいある関係者は語ります。その関係者は今回の捜査について「特捜部の意地とメンツをかけた闘いだ」と言います。

 「小沢氏という大物政治家相手に、これだけ大掛かりな捜査をやって世間の関心を集め、最終的に罪を問えなければ、検察の信頼は失墜するほか、政権の中心にいる小沢氏からはどんな仕返しを受けるか分からない。何としても小沢氏を政治的に抹殺しなければならないと、検察は勝負に出た」というのが、その関係者の解説です。

 その真偽のほどは分かりませんが、一方で小沢氏にとっても、今回の特捜部の捜査への対応は「政治生命をかけた闘い」なのでしょう。小沢氏は平成5年に自民党を離党して以来、政界再編を繰り返し、16年かけて政権を獲得、夏の参院選で勝利し、本格政権ができれば、自らが練り続けてきた政策を断行できるという状況まで、ようやくもってきました。それを目前にして今回の捜査です。

 小沢氏に近い関係者は「意図的に小沢氏を政界から抹殺しようという特捜部の捜査とは徹底的に闘うつもりだろう」と、小沢氏の心境を解説します。小沢氏は一連の家宅捜査が行われた13日夜、名古屋市内で開かれたパーティーで「私どもは法に触れるようなことをしたつもりはない」と強調しました。その熱のこもった語りぶりは、選挙演説以外の普段のあいさつではみられないもので、私も「小沢氏は検察と闘うつもりだ」と思いました。

 小沢氏は私が番記者をしていたころから、政治資金については「(自民党時代に)たくさん悪い例をみてきたから、おれはそんなことは絶対にしない。政治資金で一番大事なことは透明にすることだ。そのうえで国民の判断を仰げばいい。おれぐらい政治資金を透明にしている政治家はいないだろう」と、常々自信たっぷりに語っていました。

 今回の問題は、土地購入にあてられた原資4億円が、政治資金収支報告書に記載されておらず、その点で問題があったことは間違いありません。ただ、政治資金収支報告書の記載ミスや不記載はたびたびあることで、その修正を行えば普通は罪を問われることはありません。やはり、問題は原資の4億円に検察が描いているような悪質性があるかどうかです。

 小沢氏は現在まで、この原資について説明していません。12日の記者会見でも「捜査中」を理由に、説明を避けました。捜査中の案件について、当事者が公に語れないのはやむをえない面はあります。しかし、国民が昨年8月に政権交代を選択したひとつの要因に、自民党長期政権の中でつきまとってきた「政治とカネ」の問題と、決別してほしいとの願望があったのではないでしょうか。

 小沢氏が目指す本格政権とそれによる政策実現のためには、まず今回の問題をクリアしなければなりません。小沢氏が原資の4億円についてやましい点がないのであれば、国民の理解が得られるような説明をしてほしいものだと思います。

【関連:政治部遊軍・高橋昌之のとっておき】
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